「昔の方が良かった」という回帰欲望
少し前、娘の同級生の弟が「昔の方が良かった」と言っていたそうです。
これは、妻がその子から直接聞いた話なのですが、現在に対しての悲観的文脈で言っていたそうです。
「まだ10年も生きていないのに、そんなことを考えるのだな~」と驚いたものです。
小学校低学年でありながらも、「昔」という言葉を選ぶあたりにセンスが感じられます(笑)
今現在の不快材料や嫌悪を探し出し、過去の幸せだった記憶を懐かしみ、回帰を欲望することに年齢の大小は関係なさそうです。
農業は高齢の人の方が多い業種だからか、「昔の方がよかった」という声を聞く機会が多くあります。
また、僕が有機農業をやっていることもあるからか、環境保護的な文脈で、懐古主義的な人の話を聞く機会もそれなりにあります。
しかし、小学生からの回帰欲望を耳にしたのは初めてです。
そもそも、「昔の方が良かった」などということは、小学生が考えるものだとは思ってもいませんでした。
勝手な思い込みを少年に破壊してもらって、清々しい気持ちになっています(笑)
今回のことをきっかけに、人間の回帰欲望について少し考えてみましたが、僕はそのような考えがどうもよく分かりません。
現在は、過去の集大成であることから、過去を振り返ることが良い時もあるかもしれません。
また、本気で苦しい状況だったとしたら、そう思ってしまうこともあるのかもしれません。
しかし、「昔の幸せだった頃に戻りたい」というのは、どうしても暗い話に聞こえてしまいます。
また、回帰欲望の中でも特に苦手なのは、ステレオタイプ化された「昔みたいに戻った方が良いに決まっている」みたいな考え方です。
これは分からないとかではなく、好きではありません。
その理由を書こうと思いましたが、長くなってしまいそうなので、そのことについては、また次回に書こうと思います。
※白菜、早い型は丸まり始めています。
10月中に収穫できそうです。今年は気温が高いから早い早い。
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