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「良いものを安く」もいいですが、やりすぎもよくない



先日、農協運営の農産物直売所に行ってきました。


朝の採りたて野菜が並ぶ直売所ということもあり、開店直後から物凄い賑わいでした。


想像以上の人の数とその活気に圧倒されながら、期待を膨らませ、いざ店内に入って見ると、充実の農産品が綺麗な顔でお出迎え。


採り立てということもあって、品質も良いモノが多かったです。


お客さんが賑わうのもよく理解できます。


ただ、全体的に恐ろしく低価格であることが気になりました。


最近、スーパーの農産品価格は上昇している傾向にありますが、最寄りスーパー価格の半値に近い価格で売られているようなものもありました。


一通り売り場を見て、まず最初に「採りたての良い顔をした農産品にちゃんと値段がついていないって一体どういうことだ??」と思いました。


「良いものを安く」もいいですが、やりすぎもよくない気がします。


仮に僕がこの直売所でしか農産品を販売することができないような状態だったとしたら、おそらくすぐに廃業の決断をするでしょう。


ナス、オクラ、ピーマン、ゴーヤなど、今時期よく採れるものに関しては酷いものです。1袋100円に満たないものもあったりして。


しかも売値なので、農家はここから更に引かれることを考えると、想像するだけで悲しい気持ちになります。


直売所も大変でしょうが、これじゃぁ農家も「正直やってられない」という気持ちを持っている人も少なくないのでは??


誰でも自由に出品できる、供給調整が難しい直売所の負の側面を感じずにはいられません。




もちろん、趣味の菜園の延長でやっているような人や専業でない人も自由に出品できる場所があることは良いことだと思います。


しかし、その影響で、専業で農業をやっている人が出したくなくなるような市場になっていたとしたら、それは色々な意味で本末転倒なような気もします。


ただ、これは消費者にとっては嬉しいに決まっているということは言うまでもありません。僕も買う側だったら嬉しいです。


この辺りが判断をややこしくさせます。


こういう流れの行き着く先は、直売所の未来にとっても直売所を利用する農家の未来にとっても本当に良いものであるのでしょうか??


少なくとも、農協や行政が掲げる、地域で稼げる農家を増やすことや、農業が稼ぎやすいと思えるイメージを作ることとは逆をむいていると僕は考えます。


僕は今までの農業歴の中で、うまく作れてもうまく稼げないという農家をそれなりに見てきています。


どうにかならないものかと思いますが、僕の力ではいつもどうすることもできません。


また、うちには、うちのような農業をやりたいということで次々と人がやってきますが、僕自身は商売がうまい訳ではありませんので、売り方の相談を受けてもいつも大して力になることができません。


力になれないことに無力感を覚え、モヤモヤすることも多いです。


そのようなこともあり、誰でも気軽にアクセスできる場所でありつつも、しっかり稼げる地域の市場のようなものが、農家にとっても信頼できる販売場所として機能しているといいなと思っています。


ですので、「人が集まり、活気のある直売所の農産品があまりに安すぎるのもねぇ…」と思ってしまいます。


どこもこんなものなのかなぁ‥‥。そうでないといいな~。


※今年は暑いので、ゴーヤがまだまだしっかりした実をつけています。

これはこれで嬉しいことですが、35度近くある気温がまだ連日続いていることには、正直うんざりしています(笑)

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■人の力と少しの道具で成り立つ、シンプル&ミニマムな農業をモットーに、農園を営んでおります。

当Blogの主な内容は、「久保寺農園の少量多品目野菜栽培記」や「生業としての不耕起、浅耕起型農業の実践記 & その栽培方法と考え方」になります。
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