ゴボウの歴史と日本人の食文化



今年もたくましいゴボウが飛び出してきました。

このゴボウの写真を撮る時に、僕のスマホ内のAIカメラは「歴史的建造物の撮影モード」が最適だと教えてくれました。

野菜の写真を撮る時に「植物」「フード」以外の撮影モードが最適と認識されたのは初めてですが、その気持ちは分からなくもありません。

ユーモラスなカテゴリー分類に思わずクスッと笑ってしまいました。


さて、今日は、「ゴボウを掘るということに対してのうちの栽培方法から見た考え」と、「なぜゴボウは日本で発展していったのか?」について書こうと思います。


まずは掘り上げについてです。


僕は なるべく土を動かしたくない という理想を掲げて農業をやっているということもあり、60センチ~1メートル近くも土を掘り上げて収穫しなければならないゴボウを育てるということ自体に少し気が乗っていない所があります。



自然界で動物が掘り起こすくらいの規模であればそこまで気にならないのだろうと思いますが、もうそんなレベルの話ではおさまりませんからね…。


でも、ゴボウはとても美味しいですし、個人的には毎冬必ず食べたいと思いますし、皆さんにもお届けしたいお野菜ですので、どちらの気持ちを優先的に考えるかと言えば、現時点では圧倒的に後者に軍配が上がります。

そういったこともあり、毎年ゴボウは必ず育てるようにしています。


たまに背の高いプランターやビニール袋を畑に立てて、その中に土をどっさり入れて育てるという方法で、「掘るのに手間がいらない栽培」みたいなことをやっている人もいますが、いくら掘るのが大変だからといって、僕はそんな面倒なことはしたくありませんので、掘ることを許容できる程度の作付け量でうまく気持ちのバランスをとっていきたいと思います。

(土を動かしたくないから絶対に掘りたくない!!という視点でみれば、それは利点になることなのかもしれませんけど…)



また、数年の取り組み、観察からの結果、僕の不耕起栽培に対する考え方も少し変わってきていて、土は数年に一度掘り起こすくらいであればかえって良い効果が得られることも多いと思えるようになってきている ということと、人間と自然の里山的共生という視点で見れば、むしろ少しくらい大胆に掘り起こすことがあった方が優れたバランスがとれるのかもしれない… とも思っています。


この辺は、昔blogに書いた、中規模撹乱仮説の理屈と同じことなのかもしれません。






次に、ゴボウがなぜ日本で発展していったかについてです。


ゴボウは、平安時代後期には重要野菜としての記録が残されているらしいのですが、それがどういう風に現代に受け継がれてきたのかという歴史はとても気になるものです。


現代では韓国と日本くらいにしか受け入れられていないといってもよいくらいの野菜ですし、掘るのも猛烈に大変なものですから、どうしてそのようなものが残され、栽培され、食文化の重要な素材として日本では発展してきたのか??



そのことについて少し調べてみました。


江戸時代の農書「田法記」には、「牛蒡こそ田畑一の作りもの銀に積もりて並ぶものなし」というように記されているようですので、もうその時点でも、かなり価値の高い食べ物として親しまれていたということがうかがえます。


また、ゴボウの食文化を研究されている冨岡典子氏は、ゴボウとよく似た日本原産のアザミ属を食べる習慣が一要因だという考えを示しているようです。

(キク科アザミ属の「モリアザミ」は「山ゴボウ」とも呼ばれ、日本人に古くから食べられてきたという歴史があるようです。)


ゴボウの原産はユーラシア大陸の北部と言われていますが、上記のことを考えると、「日本人の元々持っている食文化がたまたまゴボウと相性が良かったために、栽培方法の確立や風土に適した品種の開発意欲につながり、その結果、日本独自の発展を経て今があるのかもしれない??」と捉えることもできそうですね。


ゴボウは、世界でみれば親しみのある人の方が少なそうなですから、考えれば考えるほど面白いです。



※BIOSTORY vol.32: 人と自然の新しい物語 (SEIBUNDO Mook) 内で

記事内で紹介した、富岡氏の、「野菜と文化~ゴボウ」の記事が掲載されています。






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ふきのとう、葉大根、ねぎ、ポロネギ、コールラビ、キャベツ、赤じゃがいも 黒キャベツ、小松菜、里芋、人参、ごぼう、菜花、芽キャベツ の中から7~10品程度。
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■人の力と少しの道具で成り立つ、シンプル&ミニマムな農業をモットーに、農園を営んでおります。

当Blogの主な内容は、「久保寺農園の少量多品目野菜栽培記」や「生業としての不耕起、浅耕起型農業の実践記 & その栽培方法と考え方」になります。

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