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プラスチックそのものの環境貢献性やリスペクトを抜きにして、なんとなくの雰囲気で、ただ単に悪者扱いするのはどうかと思う。


今年は厳冬期も含めて、ポリマルチを1度も新しく張っていません。


作業時間が多少増えた気がしていますが、防草シートの使用量は増やしているので、トータルの作業時間を見ると、大きな影響が出るほど変わっていません。


また、休日の日数自体でいえば、過去最大にとれていることから、「今まで、一体何のため

にマルチを使っていたんだ??」と笑えてきます(笑)


今まで良いと思って当然のようにやっていたことでも、時の経過と共に意義や価値を見出すことができなくなってしまうようなことはよくあります。 それは、いつだって、未来の自分のことが詳細に分かるわけがないからなのだろうと思います。


そもそも、今年はなぜポリマルチを使わないという選択をしているかというと、僕の栽培スタイルや規模だと、使う方がかえって効率を下げていることも多いように感じたからです。


2年前くらいに、地温の確保を前提として、冬期はポリマルチを使わないと成り立たないと書きましたが、たった2年で考え方が変わってしまいました(笑)


効率を下げていると思った理由を簡単に書きます。


確かにポリマルチには多くのメリットがあります。 しかし、うちのように、トラクターで全面的に耕耘をしない方法をとっている場合、張るのも大変ですから、次第に、利点を享受できる度合いがかなり低いと感じるようになりました。

また、小さい畑が数ヶ所に点在しているような条件不利地で、一畝の長さも短い場合、あちこち張れば張るほど、効率を下げていると感じることもありました。


また、手張りで生分解も使っていないとなると、手間も結構多いものです。


実際に、今年は使わないでも無理なく回せたことを考えると、今まで、ポリマルチのメリットを上手く活用できていなかったのだろうと思います。


物は使いようとはよく言ったものです。

いくら便利で効率化を図れる道具であったとしても、使い方がよくないと、その効果は大きく下がってしまいます。


僕は「とりあえず使ってみたい」という好奇心の方が先に走ってしまうタイプなので、こういうことがよくあります。自分のやっていることにあった最適スペックを見極める能力はかなり低いと思っています…


現在「今年はこのままポリマルチを使わずに行こうか」という感情と「流石に玉ねぎだけは使おうかな~」という感情がせめぎあっています。


僕は「なるべく物をを使わないで事を進める」ということに興奮するタイプの性格ですが、かといって、ポリマルチを使わないこと自体が、農業上、良いことだとも思っていません。 つまり、物を使わないで進めることを農業の目的にしたいという訳でもないですし、するべきでもないと思っているということです。


また、以前にも書きましたが、プラスチックやビニール自体が悪い訳ではないと思っています。

もちろん課題は沢山あると思います。ただ、「プラスチックを使わない」という選択が、問題の最善の解決策だとはどうしても思えません。


ガイア仮説、ホメオスタシスでお馴染みのジェームズ・ラブロック博士の著書、ノヴァセンに次のようなことが書いてあります。



「プラスチックはたいてい丈夫で軽く、透明で電気を通さない素材でできていて、その多くが石油産業の副生成物である炭素化合物からできている。こうした素材あるいは同じような特性の素材がなければ、現代文明はより困難で割高なものになっただろう。
プラスチックは眼鏡のレンズや窓、あるいは何であれ透明で電気を通さないものに欠かせない。それに、高い弾性といった、金属やセラミックにはない興味深い力学的特性も持ち合わせている。 環境の面から本当に異議を唱えるべきはプラスチックの使用そのものではなく、使い捨て包装素材としての使用をわたしたちが規制できていないことだ。これは制限されるべきだけれど、同時に、プラスチックが自動的に水と二酸化炭素に分解されるようにすることも難しくはないはずで、そうしたテクノロジーを追求していくべきだ。」

今回、ポリマルチへの考えが変わったことと同じように、将来的に考えは変わるかも知れませんが、僕は今の所、この考えに共感していて、これに近い考えを持っています。


プラスチックそのものの環境貢献性やリスペクトを抜きにして、なんとなくの雰囲気で、ただ単に悪者扱いするのはいかがなものかと思っています。


さぁ、玉ねぎどうしようかな~。


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■人の力と少しの道具で成り立つ、シンプル&ミニマムな農業をモットーに、農園を営んでおります。

当Blogの主な内容は、「久保寺農園の少量多品目野菜栽培記」や「生業としての不耕起、浅耕起型農業の実践記 & その栽培方法と考え方」になります。
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