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不安定な環境下での生き方の知恵




きゅうりの季節です。


関東甲信、ようやく梅雨入りしたみたいですね。


今年は梅雨が早くやってくるものだとばかり思っていましたので、色々と巻き気味で仕事を進めていたのですが、あまりにも梅雨が来ないので巻きすぎてしまいました(笑)



いや~っ、毎年毎年、数日先のことも全然読めません(笑)




とはいえ、お陰さまでしばらくはのんびり仕事できそうですので遅梅雨に感謝ですね。



仕事でもプライベートでも、決まり事に沿って物事を進められた方が楽だと思いますし、先に予定が定まっていることで効率よく動けることも多いとは思いますが、その一方で、コントロールできない変化の中で都度その変化に合わせて生きていくことの合理性や豊かさのようなものもあるのだろうと思います。



最近、コクヨ野外学習センターの「働くことの人類学」というポッドキャストが面白すぎて、むさぼるように聞き漁ったのですが、その中のコンテンツの一つに、カラハリ砂漠の狩猟採集民族ブッシュマンの研究をされている丸山淳子さんという人類学者のお話があって、その中で 


「不安定な環境で生きていくために身に付いた、ブッシュマンたちの変化への適応力の高い生き方」


についてのお話をされていたのですが、そのお話に、自然との豊かな付き合い方の方法論のことだけでなく、現代社会を生きる上で誰しもが参考にできるであろう普遍的な知恵のようなものを教えてもらえたような気がして、とても勉強になりました。


そのお話のことを思い出すと、先に述べた「数日先のことも読めない」ということも、軽く考えられるような気がしてきます(笑)








以下に物凄く簡単に内容と雑感を書きますので、もしよろしければお読みになってください。



ブッシュマンたちは、カテゴリーに沿って「〇〇だからこうしなければならない」「あなたの仕事はこれである」という自分も他人も縛り付けるような考え方を好まず、そのような理解をしようとしないことが多いようなのですが、それは「明日雨が降るか分からない」とか、「明日獲物が獲れるか分からない」という不安定な状況で生きていく為に自然に備わったリスク回避術みたいなものなのかもしれないというような考察がなされていました。


また、一生一つのことだけをやって生きることは自然でないというか、嫌だというように考えることも多いようで、そういったことから、


「賃金労働や政府開発プロジェクトで与えられた仕事への従事など、今までのような原始的な生き方とは遠ざかった新しい生き方も柔軟に取り入れるけれど、だからといって狩猟採集のような今までの生き方を完全に捨ててしまう訳ではなく、今まで通りそれをしたい人は変わらずにし続ける」というような感じの方も多いようです。


そこに効率性や利便性のあるなしはあまり関係ないようで、「ブッシュや狩猟が好きだから」、とか、「それぞれがその時にできることを出しあってコミュニティを支え合う」、などのシンプルな理由から生まれる選択や行動でもあるようです。



そんなお話を聞いていく内に、ブッシュマンたちの生活スタイルに対して「それぞれが今必要だと思ったこと、好きなことをうまく組み合わせながら、日々の変化に対し柔軟に生きている人たち」というイメージが僕の中に出来上がりました。



型や職に捕らわれすぎず、色々な可能性を組み合わせて生きていくという開かれた感じがとても良いなと思いました。



もちろんそうしたものの大変さも沢山あるのでしょうが、日本は「これはやらなければダメ」とか「こうした方が良い」みたいにスタートから決めつけられてしまうことも多いから余計にそう思ってしまうのかもしれません。



一定のルールや仕組みの中で一つのことを極めていく道もそれはそれで素晴らしいものですが、それは安定やルールがしっかり決められているということが大前提での条件になることも多いのだろうと思います。


最近のコロナ騒動をみていても、「不安定になったり、そもそものルール自体が激変してしまったりすると、今まで保てていた安定感や高い専門性も一気に崩壊してしまう可能性も高い」ということは痛い程よく分かりましたしね。



「変動性の高い不安定なルールを受け入れた上で、その荒波を存分に楽しみつくせるような豊かな生き方ってなんだろう??」というようなことを考え、そういう生き方を自分なりにデザインしてみようと試みることは、分野や生き方を問わず、誰にとっても結構大切なことなのかもしれないな~と考えさせられました。



暑くなってきたからでしょうか、キュウリの瑞々しさがたまりません。


今年も良い夏になりそうです。




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■人の力と少しの道具で成り立つ、シンプル&ミニマムな農業をモットーに、農園を営んでおります。

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