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有機農に超気楽にアクセスできるような凄まじい仕組みが欲しいという願望。




写真はカリーノケールです。

今年初めて育ててみましたが、「冬の寒さに当たってもサラダで食べられるほどの柔らか食感なんて…… 」と感激しています。 とても美味しいので、これは来年も育てたいと思います。


さて、今日は前回Blogの後編になります。


後編は「自由に物作りを楽しむという意味での有機農業」をテーマに記事を書いていきます。



前回は「自分が感じた成果に対してもっと理解を深めたいと思う理由は、手仕事農へのアクセシビリティを高めたいという欲求もある」


ということの説明をする所で記事を終えていますので、今日はそこから説明していきたいと思います。


この欲求には大きく2つの柱のようなものがあって、

①有機農における、再現性の高い具体例を後に続く人に受け渡せたら良いなと思っている。


②やりたい人がサクッと有機農に取り組む気になれるような仕組みが欲しい。

になります。

まずは、①について簡単に説明します。

有機農業であってもそうでなくても、畑仕事は基本的に工業製品を製造しているわけではないので、全く同じ状況や成果物を作り出すことはとても難しいことです。

しかし、その中でも「どんな場所でもそれなりの安定感を出せるような普遍的な栽培ルール」みたいなものを、自分なりにもう少し具体的な形で掴めたら良いなと思っています。

最近は特にそう思うことが増えています。

それは何故かというと、うちには「自分がやっている農業(手仕事有機農)のようなものを生業として行いたい」とか「生活に少しでも取り入れてみたい」という方がよく訪ねてきてくれることもあって、新しく僕と同じようなことをしようとする人がサクッと取り組む気になれる、再現性の高い具体例のようなものをより多く受けわたすことができれば良いなと思っているからです。

「自然力を活かす」とか、「生態系の循環力を高める」のような抽象的な考え方だけに寄り過ぎず、「こうやったらこういう所でもできる可能性が高いよ」とか「こうやったら虫がかなり寄りづらくなった」みたいなものを、実践を交えて、もっと上手くお伝えしていけると良いなと思うということですね。



次に②について。

「農業をやりたいけれどできる気がしない」「土地がそもそもない、見つけられない」「研修する時間がない」などなど、ただ畑が好きで一度チャレンジしてみたいだけなのに、うまくその筋道が組み立てられずに悩んでいる人も少なくないことから、そういう部分を解消してあげられるような、気楽に頼れる仕組みがあると良いなと思っています。

個人的には、こんなにやりがいがあって楽しいことにサクッとアクセスできないのはなんだかな~と感じることも多いので、クライミングジムでも定期的に通うようなテンションで畑ができるようになったら良いのにな~などと思っています。

有機農業という概念に寄って考えられた、集約化大型農業の発展や生産力の高い法人プレイヤーの増加も大切だと思いますが、それとは全く別に、「専業農業ではない、趣味や道楽+α、or 兼業有機農」にもっと気軽にアクセスできるような仕組みが作られることも同じくらい大切だろうと考えています。

以上の2つが、「手仕事農へのアクセシビリティを高めたいという欲求」の柱のようなものになります。

■有機農業はどこか修行的な所がある。

これは私見ですが、有機農はどこか修行的な所があるなと思っていて、「非常に大変なもの」とか「現実的でないものだから無理しなければ成り立たない」というような気持ちを持ちながらも、理想のために歯を食い縛ってやっている、というような人が多い印象があります。


そういうものも良い意味で破壊されていくと良いなと考えています。

実際、難しいもの、現実性のないものとして捉えられることも多いですし、マニュアル化しづらいですし、不確定要素も物凄く多いので、そのような感情も理解はできますが、こういう雰囲気が蔓延すると、多くの人が「新たにやってみようかな?」という気持ちにすらなれないような気がしています。

僕の勝手なイメージですが、「強い意識を持ち、修行を耐え抜くことができた選ばれしもののみが許される市民権…」みたいな軽く排他的な雰囲気を感じることもあって、そういう謎の聖域っぽい感じがなくなると良いなと思っています。



「誰でもスッとアクセスできて、やってみてやれそうな人だけが続ければいい」というくらいの気楽さが良いですね。

先に述べたように、僕の中での有機農は、行為として恐ろしく楽しいものだから余計にそう思います。


古代や一昔前と違って、今の時代は、最悪自分の畑仕事がうまくいかなかったとしても、簡単に飢え死にしてしまうようなことも少ない豊かな時代だからこそ覚えられる感情だとは思いますが、そういう時代だからこそ、今の時代なりの、楽しみや豊かさの追求という文脈での有機農があっても良いのではないかとも思います。

■できるだけサクッとアクセスできる仕組みについて考える。

「最初に修行はしなくてもいいから、野菜や果物やお米を作るという行為そのものの楽しみに最初にコミットしてみて、厳しい修行とか規模拡大やビジネス化に関しては後でやりたくなった人だけが勝手にやってね。」くらいの感じで取り組めるような気楽な流れができると良いと思っています。

たまたま僕の出会った人にそういう人が多いのか、全体的にそういう傾向にあるのかはよく分かりませんが、こだわりを持って有機農を選んでいるにも関わらず、経済的なこととか環境のためとか健康のためとかに縛られすぎてしまって、自由に物作りをすること、畑やお野菜や生物に触れることのナチュラルな楽しさにあんまりフォーカスできていない人が以外と多かったりするのも個人的には結構気になっているんですよね。

別にそれが悪いことだとは思いませんが、僕は、「そこが一番楽しいんだけどな…」とかよく思うので、そう考えます。


また冒頭でも述べたように、「畑でもっと自分を表現したい」とか「畑の面白さをもっと楽しみたい」という純粋な欲求を持っている人がめちゃくちゃ多いのに、制度のせいだか世の中の潮流のせいだか何だかよく分かりませんが、食べ物を作るという激烈に楽しいことに気楽にポジションを取りづらくなっているような気もしています。


これは畑に限らず、もの作り全般にいえるような気がします。