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根粒菌と豆植物の相利共生関係




枝豆、始まりました。


今時期は、果実系お野菜と春からの葉野菜や根菜類などのお野菜の入れ替わりの時期ですので、お野菜がとても充実しています。

本格的な夏野菜の季節ももう間も無くです。


今日は枝豆の話の流れで根粒菌の話を少ししようと思います。

枝豆などのマメ科の植物の根には、根粒菌という生物(細菌)が住みついていて、その細菌たちは、宿主であるマメ科植物から栄養をもらって生きています。

その代わりなのかどうかは謎が多いですが、根粒菌は、空気中の窒素を植物が利用できる形に変換し、マメ科植物に与えるという行為をしています。


植物は空気中の窒素を直接利用することができないので、お互いにとって利益がある、相利共生の関係にあるということですね。

また、蓄えた窒素が土壌の栄養分としても供給されるといった、畑サイクルにとっての利点もあると考えられています。


マメ科植物を栽培すると土地が肥えることは紀元前ギリシャ時代からすでに認められていると言われていて、古代史には空豆を開花直後に緑肥としてすき混んでいたという歴史もあるようです。

古い時代のことなので科学的に理を理解して行っていたことではないのだろうと思いますが、生活の中で感覚的にその利点を理解してやっていた可能性も高いでしょうから、人間の観察力から生み出される知恵というものは、スピードは違えど、今も昔も本質的には変わらないものなのかもしれないな、と思いました。

ちなみに、根粒菌を単離し、生物窒素固定を行うことを科学的に理解できたのは19世紀になってからと言われています。

僕がこの話を聞いた時は、瞬発的に、「解明されたのはそんなに昔の話ではないのだな~」と思いましたが、人間の生殖メカニズムが解き明かされたのも19~20世紀くらいということを考えると、生命科学解明の研究歴史的に見れば、むしろ早い方の部類なのかもしれませんね。


根粒菌とマメ類のような共生関係以外にも、自然界には単生で作物に必要なエネルギーを空気中の窒素から作り出す生物は数多くいると言われています。(アゾトバクター、バイエリンキア、クロストリジウムなどなど)

しかし、増殖に必要なエネルギーを他の植物に作ってもらっている根粒菌の場合、単生系のものよりもはるかに固定できる窒素量が多いという研究データもありますので、「共生する」ということの凄さを感じさせられています。(ものによっては10倍以上の開きがあるものも)


人間含め、どの生物間でも、うまく共生できるとこういうシナジーがあるのかな?そうだといいな。

相利共生関係に思いを巡らせ、あーでもないこーでもないとあれこれ考えることもできるのも、僕が畑を創造的活動として楽しむことができるも、近世に顕微鏡というテクノロジーが生み出されたからこそだということを考えると、現境遇に対しての幸福感が一層強まります。




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