温暖化脅威論者でも温暖化懐疑論者でもないという態度保留スタンス。
僕の考える若苗定植における定植最適期がやってきました。
来週以降は定植仕事をメインに作業を進めていきます。
来週、急に寒くなる予報になってはいますが、遅霜は大丈夫そうですね。
この時期の遅霜といえば、就農当初はかなり気にして対策していたような記憶がありますが、ここ数年、夏野菜定植期の遅霜がほぼ気にならなくなっているような気がしています。
「やっぱり全体的に温暖になってきているからなのかな??」などと考えてみるものの、なんとなくのイメージだけでそう決めつけるのも性分に合わないので、4月中下旬の最低気温の10年推移を調べてみました。
その結果、僕の農業歴の中で、この時期、降霜の可能性のある気温を記録していたのが、2013年、2019年、2020年の3年でした。
4月中下旬だけのデータですと、この3年は全体的にかなり気温が低めになっています。
ということは、今回の件に関しては「最近は温暖になってきているから遅霜が気にならなくなっている…」という訳ではなく、僕の勝手な勘違いだったということですね。
就農当初は経験が乏しく、よく分からなくて不安だったから、なんとなく対策をしていたのでしょう。
昨今の情報の影響なのか、「どこもかしこもいかなる時も、超短期間で全体の気温が急上昇し続けている」というようなイメージをつい抱いてしまいがちですが、冷静に考えてみれば、そんな訳がある筈もないので、観るポイント、統計期間によっては、今回のように「気温上昇」が当てはまらないケースも多いことでしょう。
イメージや先入観というものは事実を歪めてしまう可能性のあるものだということは重々承知しているつもりですが、改めて、「本当にそこに自覚的になれているか??」ということを意識したいなと思いました。
そんなことを考えていたら、ふと近隣の農家のおじちゃんたちを思い出しました。
近隣の農家の皆さんは、事あるごとに「年々暑くなってきていて大変だ」というようなことを常套句のように言いますが、都市のヒートアイランド現象は別としても、ここ数十年の温度変化を肌で正確に理解できている人がどれだけいるのだろうか??
今回の遅霜の話を考えてみても、僕なんかはかなり怪しいものですが、おじちゃんたちもかなり怪しいものだと思います(笑)
ただ、IPCCの「産業革命以降、世界の平均気温は0.85℃上昇した」という報告のことを考えると、たった数十年の温度変化を人間が肌で正確に認知することの方がそもそも難しいのかもしれませんけれど。
ちなみに、僕は温暖化脅威論者でも温暖化懐疑論者でもありません。
正直、今の所よくわからないことが多すぎるという感じですので、態度保留というスタンスをとっています。
そのようなことから、どちら側の主張だったとしても、極端な主張に関しては、拒否はせずとも、共感することはまずありません。
それどころか、その主張があまりにも極端である場合、「信じるのは構わないけれど、物凄く複雑で未知数の高い領域のことなのに、そんなに簡単に未来決めきるなや(笑)」などと思ってしまいます。
ただ、ローマ帝国や大元ウルスの衰亡、諸部族の大移動による疫病の流行、産業革命前の数々の世界的大規模飢饉、気候の変動が人類社会にとてつもないインパクトをもたらすトリガーのひとつになることは歴史が既に示していますから、「気候変動をなめてかかってはいかんよね」、とは思っています。(この例の場合は寒冷化ですけれど)
※今年の春は気温が高く、僕の農業経営的にはとてもやりやすいです。
「毎年一定ではない」ということが、こういった感情をより豊かなものにしてくれます。
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