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葛藤は、生きる力の象徴のようなもの。



紅芯大根です。いいです。


少し前、農仲間が「紅芯大根は高値で売れるし、直売所に持っていくとあっという間に売れる」と言っていました。


「もっと栽培量を大胆に増やしたい」とも言っていました。


なるほど確かに。


美味しいし、株間も狭くてすむし、その希少性から、普通の大根よりも単価も高くできる。

肌感でも確実な需要を感じているのであれば、そう思うのは自然なことでしょう。


僕も美味しいと思っているので、多少は育てていますが、やっぱり冬は、太くて長い白大根に限ると思っているので、大した量は育てていません。


栽培中に割れやすかったり、在圃性が低かったり、お料理の際の使い道が普通大根より少ないという理由もあります。


また、僕のように栽培や販売の基礎力が低い小さな農家は、中途半端に珍しい野菜に手を出さない方がよいと思っている所もあります。


なぜならば、栽培の安定性も低くなるし、それを高値で売るためのスキルも持っていないからです。


というか、そもそも「高値で売る為」という動機で栽培品目を選びたいと思っていません。

しかし、これは悲観材料ではありません。


なぜならば、僕はなるべくオーソドックスな野菜を旬の良い状態で人に食べてもらうことに大きな価値を感じているからです。


多くの人が育てやすい時期に育てやすいものを育てることを前提としているので、希少性で高く売ることはできません。


しかし、それが「馴染みの旬の美味しさを届ける」というものだと思いますので、僕の考える野菜の美味しさを人にお届けする上で、その土俵からおりたいとは思いません。


と、そんなことを言っているから、うちはいつまでたっても利益が小さいのだろうと思います(笑)


「もっと利益が少ないことに悲観しなさい」という声が常々降り注いでいる気がします(笑)

しかし、そういうことを強く追い求めることよりも、やりたいことをちゃんとやりたいので、いつもうまく聞こえていません(笑)


自分のやりたいことをやれているということは、それだけで益に値すると思うのですが、お金という評価基準上では、そんなことを言っていてもどうにもならないことがあります。


「うーん…、難しいな」と思うことも多いですが、それがやりたいことを力強く進める為のエネルギーになったりもするので、面白いなとも思っています。


葛藤は、生きる力の象徴のようなものだと思います。

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■人の力と少しの道具で成り立つ、シンプル&ミニマムな農業をモットーに、農園を営んでおります。

当Blogの主な内容は、「久保寺農園の少量多品目野菜栽培記」や「生業としての不耕起、浅耕起型農業の実践記 & その栽培方法と考え方」になります。
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