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お線香の香りとその役割について


最近、とあるお寺の住職とゆっくり話をする機会がありました。


その中で、「最近のお線香は、香りや煙が少ないものが多く、本来のお線香の意味をなしていないものも多い」という話しが出ましたが、住職はこれに対してかなり憤りを感じていました。


なぜならば、住職が葬儀や法事などでお努めを果たす際に、お線香の強い香りはとても大切なものだからです。


お線香をあげる理由には、諸説あるようですが、心や体を清める力があるといわれていたり、良い香りを届けることによって、故人の供養につなげる目的もあったりするようで、強い香りを届けることではじめてその意味を成すとおっしゃっていました。


そのようなことから、住職は自分でお線香を持ち歩くようにしているとのことでしたが、お線香の役割の説明をしても、強い香りのお線香を使用することを嫌がられてしまうこともあるのだとか。


その意味をちゃんと考えたことはなかったので大変興味深いお話でした。


色々と思う所はありますが、煙が苦手だったりアレルギーがあったりする人もいるでしょうし、匂いがつくのが嫌だ、などという人も数多くいることでしょう。


そもそもそういったニーズがあるから匂いや煙を抑えたお線香がでてきているのだろうと思いますので、ニーズに合わせた方が無難なケースも多そうです。


「自分の大切にしていることが社会の流れと合致せずに、それがきっかけの一つとなって多くの檀家さんが離れていくことになってしまったら、その時はどのようにご判断されますか??」


というような質問をしてみた所、「できる限り流れに抗いたいとは思うが、それでお努めすることができなくなってしまっては本末転倒なので、葛藤すると思うし悩むと思う。また、現時点、流されないように必死でつかまっている感じかも」というようなことをおっしゃっていました。


「変化していく社会ニーズと自らの大切にしていることがうまく噛み合っていないことを認識しながら、主流の流れに合わせなければならないことに葛藤する」、というような構図は、どこにでも存在するのだなと思いました。


もちろん、人や宗派によっても考え方は全然違うのでしょうけれど。


私は、流れに逆らってでも我道を進んでいく人がもつ葛藤や人間臭さがとても好きなので、大変魅力的なお話でした。


※台風がやってきそうなので、定植仕事を一旦ストップしています。

今年は夏の仕事が色々と遅れ気味で(いやっ、今年もか)、スーパーセルにする気はなかったものまで肥切れし始めてしまいました。


予定通りいかないことも多いですが、今は野菜が沢山採れていますので、気持ちは大変穏やかです。




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■人の力と少しの道具で成り立つ、シンプル&ミニマムな農業をモットーに、農園を営んでおります。

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