ネギの育苗




夏採りのネギを初めて育てています。


今までは管理の都合的に全然できる気がしなかったので育てていませんでしたが、今年はできる気しかしないので育てることにしました。

「できることって、大人になってもどんどん増えていくものなんだな」、ということを実感できるって、それがほんの小さなことだったとしてもたまらなく嬉しいものです。



今まで夏採りのネギを育ててこなかった理由は、春の葉物の播種や果菜類の育苗、定植など、少量多品目の周年栽培農家の春は何かと仕事が多いので、ネギの細かい管理(生育初期の除草など)に時間を作れる気がしなくて全然気が乗らなかったというのが一番の理由です。

では、なぜ今年は「できる気しかしない」というような状態になったのか??

というと、その一番の理由は、昨年の4月播き冬採りのネギ栽培に大して時間がかからなかったからです。

(春播きのネギは、だいたい生育初期から定植まで(4~7月くらい)の間の管理に特に時間がかかるので、そこと夏ネギの管理仕事が被ってしまいます。ですので、春ネギの管理に時間がかからなくなることで、夏ネギの管理に時間が割ける)


■なぜ春ネギの管理に時間を大して使わなかったのか??



それは、育苗を地床(畑に直播)で行わないようにして、水稲の幼苗用トレーにバラマキして密植育苗することを基本の型にしたことが大きな要因だと思います。

(今までは地床と育苗トレーを半々にして育苗していました。)


「なぜ半々にして育苗していたのか?」と、「省力化につながった要因」の細かい説明をする前に、まず、僕の考える、地床育苗とトレー育苗の長所と短所を簡単に説明しようと思います。



地床

長所


■草管理、間引きをしっかりできればがっしりした良い苗が作りやすい。

(根の伸びられるスペースが広いから)

■水やりの手間がかからない

■育苗期間が長くなってしまっても、肥切れの心配をしなくてもよい。

■長く畑に置いておけるので、補植用にもとっておきやすい。

短所


■生える草の種類にもよりますが、生育初期の除草に労力を使う。

■管理するために必ず畑に行かなくてはならない。

(これは家の前に畑がある人は短所にならず)

■幼苗期がカブラヤガなどのネキリムシの発生シーズンなので、時に苗をガツンと食べられてしまうことがある。

育苗トレー


長所


■持ち運び可能なトレーなので、畑に行かなくても除草が可能。

(日中の仕事が間に合っていないときがあっても、夜間に家の中ででも除草可能。(これをやるのは嫌ですけど(笑))

■使う用土次第では除草の必要がほぼない。

■これも使う用土にもよるのでしょうが、一度しっかり熱発酵させて使っている用土であれば、畑みたいに虫が気になることは少ない。


短所


■どんなトレーでどれだけ用土を使うかにもよりますが、その土質や量次第では、肥料切れの心配がある。

■定期的に水やりをしなければならない。

■植え遅れによる苗の劣化。


というように、それぞれに違う特徴がありますので、「どちらの方法をとった方が良いのか??」 というと、それは人によっても最適解が違ってくるものだろうと思います。

表面上の長所、短所の話だけのみならず、畑の管理スケジュールやトータル栽培量、植え付けるタイミングなど、その他の要員でも変わってくるものだろうと思いますしね。

個人的には、狭い面積であれば圧倒的にトレーの方が良いと思いますし、どさっとまとめて作るのであれば地床の方が向いていると思います。


で、話を戻して、「なぜうちは地床とトレーを半々にしていたのか??」、「なぜ春ネギを省力化できたのか??」ということについての理由を説明しますね。

まず、半々についてですが、うちは小規模と大規模の中間くらいの中途半端な管理面積なので、「どちらの方が良いのか??」ということを模索する為にしばらく半々でやっていたという感じです。


次に、「昨年は春ネギに大して時間は使わなかった」ということの説明です。



昨年は、トレーと地床の比率を少し変えてみようと、トレー8割、地床2割くらいのバランスで育苗をしてみた所、地床の発芽不良&虫の大発生により、かなり初期段階で地床育苗スペースが壊滅してしまうというアクシデントがありました。

(地床が壊滅してしまったので、狙ったわけでもなんでもなく、自然とトレーオンリーの育苗になってしまったという感じですね。)

これがたまたま奏功したようで、僕の現在の作付けサイクルだと、トレーオンリーの方が管理の時間が圧倒的に少なくてすむということを初めてしっかりと理解できました。


(今までは地床の利点が捨てきれないことと、ヘッジの意味でも両方の手法を取り入れるようにしていましたが、トレーのみだったとしても、早い段階でトレーを畑に持っていってあげて、畑にトレーを直置きして畑に根付かせてあげると、途中で地床と同じような管理にもできるし、苗もそれなりに良く仕上がるということも良く分かりました。その結果、「地床とトレーの良い所をうまく取り入れながら、結果的に省力化にもつなげられる」、という今の自分にあったより良い方法をみつけられました。)

ということで、「今までは春ネギの管理に結構手がかかっていたので、夏ネギなんてやったら他のこと全然できなくなってしまうよね。」と思っていたのですが、上記のことから、「今年からは夏ネギもやれるでしょう!!」ということになったというお話でした。



終わりに



量が増えると何かと大変なネギの育苗管理。

上記で述べたように、僕は狭い面積であれば圧倒的にトレー育苗の方が良いと思いますし、どさっとまとめて作るのであれば地床の方が向いていると思いますが、苗5000本程度の量であれば、記事で紹介したように、それぞれの利点をうまく取り入れながら省力化するという術もあるのではないかと思います。

もちろんそれは、その他のスケジュールや栽培環境や栽培手法によっても変動するものではあると思いますが、もし「ネギの育苗をどういう手法でやろうか??」とか「地床にしようかどうしようか??」みたいなことを悩まれている方がいらっしゃったら、僕のような一例もあるということが何かのご参考になれば幸いです。




※下リンク、文中で紹介した我が家の育苗トレーです。

水稲用の中苗トレーを使っています。これが色々と使い勝手が良いと感じています。







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■人の力と少しの道具で成り立つ、シンプル&ミニマムな農業をモットーに、農園を営んでおります。

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