冬作と有機態窒素


今日のBlogテーマは、冬作と有機態窒素です。

昨年末に、有機態窒素について色々と調べていた所、効果的に利用する為の技術について知りたいことが沢山出てきたので、先日、県の農業技術センターに問い合わせをしてみました。

お話をうかがっていく中で、現在は個人でも有機態窒素が測定できる簡易検査方法があるということを教えていただき、農研機構さんの刊行物野菜作における可給態窒素レベルに応じた窒素施肥指針作成のための手引きをご紹介いただきました。

手引き資料に一通り目を通してみての率直な感想は、とても素晴らしい技術だと思う一方で、細かく色々な品目を作付けたり、デッドスペースに混植をしまくるような少量多品目栽培では、複雑性が増しすぎてしまいそうな気がしてしまい、僕には上手く活用できなさそうだと思いました。


そのようなこともあり、測定をいざ実施するかどうかは正直迷っている所です。


ただ、技術にはとても興味があるので、もう少し考えてみたいと思っています。


寒い時期に有機物を利用するのは難しい。


「土壌中の有機物が分解されて、栄養分が作物に供給される」という仕組みを利用しながら作物を育てていくというプロセスを踏む有機農業は、冬場に土壌からエネルギーを効果的に供給してもらうことがなかなか難しいものです。

下記の図の示すとおり、とにかく生物が全然動いてくれない時期ですから、「いかにこの時期に合わせて作物が利用しやすい栄養を土壌にストックできているか??」 ということがとても大切なことのように思います。




当園のように、施肥の量を極力少なく抑えながらやっている農法ですと、余計に冬作の難しさを感じます。

毎年、頭を悩ませる材料も少なくありませんが、就農当初から比べれば、作れる量は遥かに上がっているので、理想の頂きへのルート選択は、その方向を大きく間違えている訳でもなさそうだなと感じています。

PEON(有機態窒素)の効き加減をもっと理解したい。

古くから「冬作には堆肥がきく」という言葉があるようで、冬作には、無機化する前の有機態窒素の段階で窒素を吸収できる作物が多いと考えられていたりもします。



実際、ヤンマーさんのページにその辺りの謎に迫る試験結果がわかりやすく図解されています。

上図は、人参、チンゲン菜、ほうれん草などでは、化学肥料区より、有機肥料区の方が窒素吸収量が高いという実験結果。(上記リンクページ内より)

また、この実験結果から、直接吸収できる窒素成分を研究した所、上記の作物(人参、チンゲンサイ、ほうれん草)では、分解途中の有機態窒素を利用できることが分かったようです。


下図はそのプロセスの図解、タンパク様窒素PEON(有機態窒素)が植物に利用されるまでの動きを表しているものになります。(上記リンクページ内より)







最も測定&予測したいのは、冬季に効いてくれる作物間のPEON量。


ここまでのことを踏まえて、僕が何を知りたいのかということを考えると、「うちの畑には、冬季に効かせられるPEONの量がどれだけあるのか??」ということです。

栽培方法的に、うちの畑は表層に有機物がめちゃくちゃ積まれていたりしますが、今まで、冬作における明らかなPEON効果を感じることはあまりできていないような気がします。

先に紹介した図のように、油粕のような窒素成分がそこそこ多くて、窒素放出が早い有機物にしか当てはまらないのか??、または、そもそも僕がその効果の程にあまり気づけていないだけなのか?? と、その思考迷宮は考えれば考えるほどに複雑になるばかりですが、確実に冬の収量が年々上がっていることを考えると、「少しづつ利用できるPEONの絶対量も増えているのかもしれない??」と考えられなくもなさそう…とも感じています。

その辺の複雑なやりとりをもっと深く理解することができたら、自分のやっていることにまた一つ新しい意味を付加できそうな気がしています。


とはいえ、このままだと、一生納得のいく答えにたどり着けなさそうですけれど(笑)、こういう曖昧なものに自分なりの価値を設定し、もやもやしながら進んでいくことは、やっぱり楽しことだな〜と思っています。




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