春のミニ人参の季節

葉人参がぷっくりしてきました。
いよいよ端境期の終わりが見えてきた気がします。
今の位置を富士登山に置き換えて例えるならば、もう登りきって御来光待ちの所という感じでしょうか。
僕は、終わりと始まりの交差点付近の哀愁と期待の入り交じり感がめっぼう好きなので、今、心の具合がとても良いです♪
冬の人参の収穫期が4月に終わり、長い切れ目もなく、この時期に葉付きミニ人参(間引き)を獲り出せるのは精神的なゆとりを持てるきっかけを作ってくれています。
例年、この繋ぎ目の時期をうまく合わせることができなくて、ミニ人参の獲り出しが、大体5月中~下旬くらいからになってしまっていたので、収穫が盛夏に差し掛かかってしまうことも多くありました。
気温が高くなると人参の味が劇的に落ちる(品種にもよると思いますが、そもそも生物として暑さはそこまで得意な種ではないだろう)ような気がしているので、良い状態で出せる期間が短くなっていたことが気になっていた所もあり、今年は、もっと地温を確保し、早めに採りきってしまうというイメージで作付け&管理しています。
例年と大きく変えた所は、冬~春の地温を確保するために、黒マルチ、穴なしビニトンの使用をすることにした所です。
(例年だと、2穴ユーラックくらいしか使っておらず、かなりじっくり育てる感じ)
僕は、基本的に草を生やすことにより、土壌の地力や生物性も高まっていくことを肌で感じていることもあり、できればマルチは使いたくないのですが、葉物や人参などの条播き系のものって、管理の都合上、結局最後まで割としっかり除草してしまうことが多いので、結局は草との共生時間も大して変わらないだろうという考えに至り、マルチを使用し、地温をあげて、「美味しく食べられる期間を広げる方向で考えることにしている」という感じです。
おかげさまで、今年はとても順調です。
これは人参に以外の作物にも言えることなのですが、うちのような栽培方法(土をあまり動かさず、肥料もほぼ用いず)だと、春作が異様に難しいと感じています。
草マルチなどを重ね、土壌の状態は年々良好になっていることは間違いなく、早春〜春以外の時期は大して手を加えずとも多くのものを育てやすくなっているのですが、この時期だけは本当に難しい!!!
とはいえ、試行錯誤の結果、年々、早春の収量自体も上がっているのですが、その他の時期と比べてしまうとやはりまだまだ工夫していかなければならないのだろうと感じています。
主に生き物の力を借りて進んでいく栽培手法には、生物が活動しやすい温度が必要不可欠ですので、「それを、より自然条件に近い形でどう確保していこうか??」ということを目下考え中です。