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野菜のルックス



今年はもぐらが多かったからか、ユニークな形をした人参が沢山でてきます。

こういう形の人参ってクズ扱いされてしまうことも多いですが、僕はそういう慣例があまり好きではありません。

確かにちょっと下処理はしづらいですが、美味しさを楽しむという点で見たら大きく変わることも少ないことから、「ルックスの良さだけではない個性ももう少し許容、承認されてもいいのにな……」とよく思います。

農家目線からのポジトークでも怠惰でも甘えでもなくて、生産、消費、廃棄のシステム全体でみて、まだまだ良くなれる所も多そうな気がするのでそう思います。


また、個人的には、こういう人参の方が味わい深さがあったり、パンチのきいた香りや旨味があることも多いと感じていたりしますので、そういった意味でも、クズ扱いなんてとんでもない!と思う訳です。 (これは人参だけに限らず、多くの根菜に言えるような気がしています)



それが何故そうなるのかのメカニズムは詳しく分かりませんが、少なくとも、僕の考える野菜の美味しさ に近いものを感じることが多いのは事実ですので、ただの気のせいではないように思っています。


(明らかに収穫適期を過ぎてしまっているものや、病気で根腐れ気味になってしまっているものに対し「自然の姿だから」みたいなことを言うのはマッド過ぎると思うので、変わった形のものをなんでもかんでも良いと思っている訳ではありません。そのあたりは勘違いしないでいただけたらと思います。)



そんなことから、野菜の美味しさと栽培方法の相関性について少し調べてみた所、「野菜は一定のストレスを受けると生育スピードが遅くなり、抗ストレス物質を作りだす」というような説に出会いましたが、その抗ストレス物質とは、糖やアミノ酸、辛味や苦味などの旨味以外の成分、抗酸化物などのことを指すようです。



僕の考える生命力の強い野菜って、ストレス環境への耐性力を高めながら、旨味やそれ以外の複雑な成分をじっくりと体に蓄えていくようなイメージでしたし、実際に今回の人参のような「物理的な刺激からの変形種の中に、複雑な味わいのものが多い気がする」というモヤモヤした気持ちに対しても合致点が多いような気がして、なんとなくではありますが納得がいっています。

ただ、その一方で、情報に触れれば触れるほど、「植物の旨味が生みだされるためのメカニズムって結局よく分かっていないことが多そうだ」ということを改めて感じさせられていますので、「必ずしもそうであるという訳ではない」というモヤモヤした感じに変わりはないんですけどね(笑)



美味しさや味覚の感度って千差万別ですから、そういうことも含めて考えると余計に複雑なことでもありますしね…



いつかこの分野のことがもっと明らかになると嬉しいなと思いますし、僕自身もまだまだ色々な考えに触れたいと思っていますので、美味しさと栽培方法の相関性について素敵な情報をお持ちの方がいらっしゃったら、是非教えてくださいませm(_ _)m





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■人の力と少しの道具で成り立つ、シンプル&ミニマムな農業をモットーに、農園を営んでおります。

当Blogの主な内容は、「久保寺農園の少量多品目野菜栽培記」や「生業としての不耕起、浅耕起型農業の実践記 & その栽培方法と考え方」になります。
​同じような栽培方法に取り組まれている方々にとって、当園Blogが何かの参考になれたとしたら、それはとても嬉しいことです。
 

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