top of page

スパイラルロータを使ってみて。



半年前くらいにスパイラルローターを試験導入しましたが、うちの栽培手法上の想定していた一通りの作業シーンでの使用を終えましたので、その感想を簡単にお伝えします。

結論から言うと、理想としていた形にはほど遠かったです。


除草と同時に表土を削って、播き床、植え床まで一気に作れてしまったら面白いなと思っていましたが、そううまくはいきませんでした。


まぁそりゃそうかという感じでもありますが、人の体重程度の小さな管理機ですので、圧倒的に馬力と重さ不足です。


ただ、表層の土が柔らかく、草の背丈が極低い内という条件内であれば、表土削り機として理想にほぼ近い形で使えますので、使うタイミングによっては、刈払機用のハンディモアアタッチメント、「畝草取りまー」を使うよりも遥かによいです。


強い草の根を畝上に張らせずに管理することを前提にすれば、前述したような理想に近い形で使えそうですが、それを現実的なラインに落とし込むに当たり、トラクター耕とマルチの多用はセットになりそうですので、僕の理想全体で考えると、今の時点ではうまい使い方ができそうにないと感じています。


草が全く生えないように刈草を分厚く全面に敷きつめるというのも一つの手かもしれませんが、そんなことはやっていられませんし、分厚く有機物を敷きすぎることの栽培上のデメリットも多く、育てられる作物も限られてきますので、その手法はうちの栽培形態的には却下です。


除草のみの視点で考えると、モアみたいに粉砕はしてくれないものの、根切りしてくれたり、地上部も適当なサイズに切り刻んでいってくれるので、細かすぎない草マルチ素材の確保という意味で、粉砕しすぎたくない人なんかはこっちで除草もありかな?と思っています。


ただ、刈払い機よりも遥かに楽に除草はできるものの、草丈が高く、強い根が張った草がびっしり生えているような所は走りにくいし、上手に除草できませんので、草マルチ材料確保を大前提にして使わない方が身のためだとは思います(笑)


除草のみで考えてもやはり草の小さい内にかけた方がよいでしょう。


まとめると、除草兼表土削りを同時に行うという用途で使うのであれば、極限られた条件のみにしか当てはまらないので、「重機は使わず、あまり土を動かさず、草をしっかり生やし、有機物を表層で活かしていく」というような栽培方法上ではあまり有効利用できない道具だと思います。


しかし、それは僕の経営形態での話なので、面積や管理方法、栽培作物によっては有効利用できることもあるでしょう。


また、「しっかり耕された畑で、草が生えたらすぐ除去する」という、そもそもの用途(除草)で使用する場合は優れものだろうと思います。


そもそも農業機械は、農業を小さな力で大きく楽チンに行うためのものですから、前述したような僕の理想としているような農業を小回りのきくレベルで機械化するなんていうことは難しいのであろうと理解してはいつつも、自分がそれを使う使わないは関係なしに、そのような可能性を探っていくのはとても楽しいことですから、これからもあれこれと実験していきたいと思います。


土壌切削機のようなものや芝切機(ソッドカッター)のような管理機用のアタッチメントがあれば即買いしたい所ですが、残念ながらそのようなものは作られていません。


というか、人間の体重程度の管理機だと、スパイラルローター同様、そもそも馬力が足りないか。


結局いつも、やっぱり鍬が一番良いという所にかえってきます(笑)


それはそれで、とても味わい深く、嬉しいことでもあります。

​最新記事

  • Facebook
  • Instagram
a242ef95b21fab738914488bce48fe06d9ec1837

■人の力と少しの道具で成り立つ、シンプル&ミニマムな農業をモットーに、農園を営んでおります。

当Blogの主な内容は、「久保寺農園の少量多品目野菜栽培記」や「生業としての不耕起、浅耕起型農業の実践記 & その栽培方法と考え方」になります。
​同じような栽培方法に取り組まれている方々にとって、当園Blogが何かの参考になれたとしたら、それはとても嬉しいことです。
 

News Curation

■農業、環境、エネルギー、それらの分野に対するテクノロジーの記事を中心に、気になったNewsをPickしています。

bottom of page