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露地野菜周年セット販売における、端境期のオペレーションとその心情。



冬も途切れずに収穫し続けられるカーボロネロ。とにかく寒さに強いです。

青物野菜が少なくなる端境期差し掛かり始めの今時期、とてもありがたい存在です。


うちは、定期野菜セットの販売が全売上の8割を占めるような経営をしていますので、大前提として、10種類程度の野菜を常に出荷できるように畑を維持することが求められます。


冬野菜の収穫期が終盤をむかえ、春野菜が採れ始めるまでの間の期間(2月下旬~4月)は野菜が極端に少なくなりますが、その期間の対策の一つとして、カボチャ、じゃがいも、里芋、根菜各種など、長く貯蔵できる野菜を多めにストックしておくことで、野菜の少ない時期でもお届けできる野菜のバリエーションが少なくなりすぎないようにしています。


毎年1月辺りから貯蔵野菜を温存するモードに入り始めることが多いのですが、温存期は、寒さに負けそうな葉野菜や冬の虫(ハクサイダニやヤサイゾウムシなど)のダメージを受けてしまう可能性の高い葉野菜を優先的にバンバン採っていきます。


しかし、今年のように極端に寒さの厳しい日が続くと、予想以上に早い段階で青物野菜が傷んでしまい、一気に青物野菜が収穫できなくなることもあります。

そういう時は、涙を呑んで、予定より早く貯蔵野菜に手を出し始めます。


今年はその時が来るのがかなり早かったような気がしますので、最近は、「ありゃ、このペースで3月野菜足りるかな??」というような感情に心を襲われています。



また、貯蔵物は貯蔵物で難しい所があって、まだいけるかな?まだいけるかな?と引っ張りすぎると、傷んでダメにしてしまうこともあったりします。

今年はその感じでカボチャを引っ張りすぎて結構ダメにしてしまいました。


採り立て露地野菜の周年セット販売というやつは、この辺りのバランスをとることが何年やっても本当に難しいなと感じています。



野菜を求めてくださる皆様に、その時の畑にある最高の美味しいを常に安定してお届けできるような露地野菜農家になれたらいいなといつも思っていますが、季節野菜の豊かなバリエーションの提供という目線で考えた時に、理想通りにいかないことが多々あります。


「いつか上手くできるようになるのだろうか??」と毎年思っていますが、前述のようなことに悩ましい気持ちになりながらも、その一方で、葛藤の中から新しい工夫の凝らし方を考えるきっかけが生まれたりもしますので、そういうことに喜びを覚えたりもします。

結局、難しい難しいと思いながらも「露地野菜の周年セット販売を直販で」という制約は、自分にとっては望ましい制約なのでしょう。



だから、これからも続けていきたいと思いますし、今も楽しく続けられているのだろうと思います。


こんな非合理的な農業経営で僕が生きていけているのも、僕のわがままを許容してくださり、いつも利用してくださる皆様のお陰さまに他なりません。

心よりの感謝と同時に、皆様にも同じような不便を強いてしまっていることに自覚的でありたいと強く思っています。


さぁ、今年も間も無く端境期。

今年も頭を抱え、あたふたしながら乗り越えていきますよ~。


届く野菜がいつもより少ないなと感じた時は、「久保寺、今あたふたしているんだろうな~」と思いながら、今の久保寺農園の目一杯野菜をお楽しみいただけたら嬉しいです。

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■人の力と少しの道具で成り立つ、シンプル&ミニマムな農業をモットーに、農園を営んでおります。

当Blogの主な内容は、「久保寺農園の少量多品目野菜栽培記」や「生業としての不耕起、浅耕起型農業の実践記 & その栽培方法と考え方」になります。
​同じような栽培方法に取り組まれている方々にとって、当園Blogが何かの参考になれたとしたら、それはとても嬉しいことです。
 

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