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黄金ほうれん草







ほうれん草って深緑色の野菜のイメージが強いと思いますが、うちのほうれん草はとっても淡い色で、この時期なんかは特に淡いので、葉先や外側の葉なんて黄色がかっています(笑)

「大きくて緑の濃い野菜の方が良い」というイメージを持っている人からすると、一見「ナンジャコリャー??」という感じになってしまうでしょうが、むしろこのくらいの方が旨味やコクがあって美味しいことも多いんですよー。

嘘みたいなお話かもしれませんが、僕の味覚データにはそういう記録が強く残っているので、僕は適度に色褪せたほうれん草に黄金ほうれん草という呼び名をつけています。


そんなことから、もし僕が今後農業をやめてしまって、市場でほうれん草を購入するのであれば、なるべく淡い色のほうれん草を選ぼうとすると思います。(なかなか出会えなそうですが(笑))

葉が淡くなる理由に関しては、窒素の量なども含め、様々な要因があるのでしょうが、その要因の中の一つにクチクラ層というものの存在があります。

クチクラ層というお野菜の表皮にできる植物性タンパク質の薄い皮膜があって、その皮膜は、お野菜を紫外線や乾燥から守る働きがあると言われているのですが、ゆっくりと栄養を吸収し、しっかりと細胞分裂を繰り返して作り上げられた植物の葉には必ず形成されるものらしく、この幕があると葉の緑色が淡くなると考えられています。

うちのお野菜たちにはこの皮膜がしっかりある状態ということを前提に考えていくと、色の淡いお野菜に旨味やコクを感じやすい理由は「その膜が発達すると旨味を逃しづらくなるから??」と考えもしましたが、そもそもゆっくり栄養を吸収し、しっかり細胞分裂を繰り返してできたお野菜であるならば、自然に栄養状態や健康状態も良い可能性が高いだろうと想像することができますので、旨味やコクが発生しやすい最大の理由は、「作物のリズムで無理なく健全に育つことができたかどうか??」ということに尽きるのかもしれません。

まとめると、ゆっくりと作物本来のペースで育ち、葉は厚みのある葉がしっかりと形成され、それでいて葉色が適度に淡いお野菜。 その条件を満たしたお野菜が、旨味があって元気の良いお野菜の条件になるということになります。

まぁ、ただ味覚に関しては個人差があるでしょうし、これは僕がお野菜と接してきた中で出来た私的味覚データなので、必ずしも誰にでも当てはまるものではないでしょう。 また、色に関しても、ターツァイの葉みたいにそもそもの色が濃い品種は判断しづらいですしね。

結果、何が言いたいのかというと、人も植物も、見た目も大事かもしれませんが、そのものを構成するストーリーもとても大切なものなのだろうと思いますので、どこかで色が褪せ気味のお野菜に出会ったら「色が褪せているから、こんなの美味しくなさそうー」と頭から考えずに、むしろラッキーと思って手にとってみるのも悪くないかもですよー、ということですかね(笑)

健康的に色褪せたお野菜を見たら(判断超難しそうですけど(笑))「そう言えば久保寺があんなこと言ってたなー」と、このお話を思い出していただけたら幸いです♪

健康的に色褪せたお野菜は、茹でるととっても色鮮やかな緑色になったりするので、そういう所もまた素敵だなーと思っています♪(写真のカレーの上に乗っているやつは、かなり黄色い外側の葉の部分を茹でたものです)



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■人の力と少しの道具で成り立つ、シンプル&ミニマムな農業をモットーに、農園を営んでおります。

当Blogの主な内容は、「久保寺農園の少量多品目野菜栽培記」や「生業としての不耕起、浅耕起型農業の実践記 & その栽培方法と考え方」になります。
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