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「基本的に廃棄ゼロで廃棄野菜は全て畑で循環させている」だなんていうのは、都合のよいポジショントークみたいなもの


野菜が豊富な時期ですので、レタスの収穫を後回しにしていたら、1作の3分の1くらいを抽苔させてしまいました。


(抽苔(ちゅうだい) 気温や日長などにより花茎(かけい:花をつけた茎)が伸びだすことを抽苔という。 また、とう立ちともいう。)


この時期採りのレタスを抽苔させてしまったのは就農初年度以来です。

今年は、やたらと気温が高いので、その影響も大きそうです。


近年は、明らかに野菜の生産量が上がっているので、野菜が豊富な時期に、収穫が後回しになる野菜が出てしまうことがあります。


虫食いや病気でダメにしてしまったならまだしも、ちゃんと育ったのに収穫適期を逃してしまうなんていうのは、ロスの形として、なかなかひどいものです。


就農当初、野菜が上手く作れなくて足りないことに苦労した時期が多いことを考えると嬉しい悩みではありますが、「畑の回し方や販売方法を考え直さなければならないな…」と思うことが最近はちょいちょいあります。


次のステップに向けた、前向きで明るい悩みです。


うちは今まで、色々な人や団体から「野菜の廃棄量はどれくらいあるか??」というような問い合わせをいただいてきていますが、「基本的にありません」というような答え方をしてきています。


それは、野菜クズも全て堆肥化させるか畑で植物マルチ化させているからです。


質問者によって廃棄の定義が違うので、堆肥化も廃棄とカウントするのであれば、全体の3割くらいは廃棄しているであろう…ということも付け加えるようにしています。


僕は「作付けたものを人に食べてもらう」ということを最も良い形だと思って野菜を育てていますから、ロス分を畑内で循環させようが堆肥化しようが、無駄にしてしまっていることに変わりはないと思っています。


僕のしていることは、無駄にする割合を少しでも下げる為の行為でしかありません。


そういう意味では、僕の言っている「基本的に廃棄ゼロで廃棄野菜は全て畑で循環させている」だなんていうのは、都合のよいポジショントークみたいなものなのかもしれません。


実態はただのロスですから、この辺り、よく見せようとしすぎないように気をつけたいなと思っています(笑)

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当Blogの主な内容は、「久保寺農園の少量多品目野菜栽培記」や「生業としての不耕起、浅耕起型農業の実践記 & その栽培方法と考え方」になります。
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