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「聞く力を鍛える」ことはとても大切なこと。



少し前、自分の母に「あなたは思いやりや優しさが足らない」というようなニュアンスのことを言われました。


詳しく聞いてみると、人の話をちゃんと受けとめなかったり、持論の主張が強かったり、要点をまとめたがったりする所が母にとって気になるポイントのようです。


「ただ評価せずに話を聞いてくれるだけでいい。」これが母の希望です。


人を評価せず、人を尊重できるような人間になりたいと願い、その心を大切にしているつもりでしたが、一番身近の関係性の中でそれを実践できていなかったようです。


振り返って自己分析してみると、自分は何事も細かく理解できないと気が済まない所があり、解像度を高めて情報を整理したいがばかりに、すぐに質問したり要約しようとする癖があるように思いました。


しかも、それを全く不適切なものとも思わず、最善策のようなものとして認識している所がありました。


もちろん、関係性によってはそういうことが「良きこと」として機能する場面もあるのかもしれませんが、この度のことで、「そのペースが苦痛な人もいるということを踏まえた上でのコミュニケーションになっているかどうか??」をちゃんと考えなければならないなと思いました。


勝手に思いやれているつもりになっていただけでした。反省。


また、人に対するジャッジメントが公平さや中立性を阻害することは重々承知していたつもりでしたし、そうならないように気を付けていたつもりでしたが、結果、ただそれを頭で考えていただけで、全く実践につなげられていなかったということに気付かされました。


「全然理解できていなかった」という嬉しい学びですね。


僕の好きな本の中の一つに、心理学者の伊藤進さんの「聞く力を鍛える」という本があるのですが、その中に




「私たちの脳には、長い間の関節・直接の経験を通して、あらゆることを評価しようとする価値基準が形成されており、それがほとんど自動的に作動するようになっている。だから、放っておくと、それが作動し、すぐに評価を開始するのである。
話を一通り聞き終えるまでそれを抑えようというのだから、これは容易ではない。聞くスキルの重要な一部として、評価しようとする気持ちを抑えるスキルを身につける必要がある。」

と書かれています。


数年前にこの本を読んだ時、この部分に「おおっ!!それは気をつけたいな」と思ったはずなのに、すっかり忘れていました。


この度は、人の話しを聞く姿勢を今一度考え直すことのできる良いきっかけだなと思いました。


ありがたいことです。


※写真は、草マルチをどかした時によく見られる、土の表層に張り巡る「根っこの群集」です。美しく、たくましさを感じます。

畑の中の生物の営みは、何も評価せず、ただ淡々と、その場その場に合った生き様や姿を見せてくれるだけなので、学びが深いです。

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■人の力と少しの道具で成り立つ、シンプル&ミニマムな農業をモットーに、農園を営んでおります。

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