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キャベツ、忍耐、我慢



お野菜たちが寒さに耐え忍ぶ季節です。

野菜が忍耐しているのか我慢しているのかを読み解く力は僕にはありませんが、寒さに晒されたキャベツがケタ外れの旨さになるタイミングは大体分かります。

真冬のキャベツ、今年も凄まじい旨さです。



冬の野菜の多くは厳しい寒さにある程度晒された方が味がのります。


以前のBlogで、野菜の美味しさとストレスの相関性 のことを書きましたが、寒さによる冬野菜の旨味上昇は、その理屈がよく当てはまる分かりやすい事例なのではないかと思います。


(事例とは、強烈な寒さにより、凍って死滅しないために野菜が体内の糖濃度を上げる ということの結果、それが人間にとっての旨味成分にもなっているということ)



野菜の美味しさって「野菜が、忍耐、我慢したから美味しくなっている」、のような観念的でぼんやりした話しで語られてしまうことも多いですが、上記のような、寒さによる旨味上昇のメカニズムくらいに分かりやすく、各ストレスによる旨味成分の分泌メカニズムが分かったりすると、美味しさを生み出すためにどの栽培方法が最も適しているのか?? という部分がもっと詳しく議論されていったり、鮮明になっていくのかもしれませんね。


それはそうと、「野菜が忍耐しているか我慢しているかは分からない」と冒頭で書きましたが、その一方で、僕は記事トップの写真のようなお野菜の姿を見ると「忍耐してるな~」というような感情を覚えます。



お野菜は脳がある生物ではありませんので、傷みを感じる訳でもないでしょうから、「そういうのは人間の勝手な思い込みだったり、都合の良い解釈や想像だったりするよね」などと思いながらも、ついそういう風に見てしまったりする自分がいます。

人間社会の中では「忍耐」を感じさせるような姿って、心に訴えかけるようなものがありますから、そういう「頑張っているね」とか「辛抱強いね」みたいな感情を覚えられそうな材料を色々なシーンで知らず知らずに探していて、自分の心にポジティブなものをいつでも置いておきたいのかもしれません。


または、忍耐強さに憧れみたいなものがあって、いつでもそういうものに触れていたいと思っているとか……


と、こんなことを考えても永遠に解を導きだせる気がしませんね(笑)


困ったもので自分の心も読み解けません(笑)



今回、忍耐がサブテーマの記事みたいになってしまいましたので、せっかくですからこの流れで、自分の思う忍耐と我慢について(人の社会の)簡単に書こうと思います。


僕は忍耐がなんでもかんでも良い結果につながるとは思いませんし、方角の定まらない「なんとなく忍耐」みたいな感じになってしまうのであれば、それはただの我慢になってしまうことも多いでしょうから、そんな時は無理せずに逃げるという選択肢もあったっていいじゃない、と思うタイプです。


でも、忍耐ってとても大切だと思いますし、いつも心に留めておきたいむちゃくちゃに好きな言葉です。


それと、我慢と忍耐は全く別のもので、忍耐は、未来の夢を達成するのに必要な辛抱のことであり、我慢は、自分の成長には関係ない所で強いられる辛抱のことだと考えます。



忍(忍は認(みとめる)なり)耐(たえる)は、自分で認めた上で耐えるということから、アスリートが記録を伸ばすための試練に耐えること、みたいなやつで、我(われ)慢(おこたる)は、自分の願いを叶えることを止めるように自ら働きかけること、のように言われることもあるのでそう思います。



ということから、我慢のような状態はなるべく避けた方がよいと考えますので、自分が忍耐だと思っていることが実は我慢になっていた みたいなケースはなるべく減らしていけた方が、人は豊かな人生を描きやすいのではないかと思います。



とはいっても、人の社会って複雑な感情が入り乱れていますから、それも簡単ではないんでしょうけど…

それでも、意識しているのと意識していないとでは大きく結果が変わってくるのではないかと思いますので、そこはなるべく前向きに考えた方が良さそうだなと感じています。


キャベツの話をしようと思ってBlogを書き始めたら忍耐と我慢の話しが軸になってしまいましたので、最後にもう一度、一番伝えたかったことを書いて終わりにします。



今年の冬キャベツも最高旨いです!!




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■人の力と少しの道具で成り立つ、シンプル&ミニマムな農業をモットーに、農園を営んでおります。

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