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苦味という扱いづらい刺激も、多様な味を表現するためのポジティブな要素



ふきのとうの季節になりました。


冬は苦味を楽しむような野菜がないので、体が苦味を欲するようになるのでしょうか、毎年、ふきのとうがやたらと美味しく感じます。


春の体は、植物性アルカロイドに特別な快感を覚えるようにプログラムされていたりするのでしょうか。


不思議なものです。


以前、苦いものがあまり得意でない方が、ふきのとうであれば大丈夫だと言っていたことがありますが、それを聞いて、人間の味覚と素材の持つ “味成分” との関係性はとても複雑なものだな~と考えさせられたものです。


苦味だけとってみても多種多様な成分があり、苦味という言葉だけでは表しきれない領域が沢山ありそうです。


味や旨味の世界は奥深くて本当に面白いです。


基本味の概念である五味の中でも苦味は最も扱いづらいものだと思いますし、苦手な方も多いのだろうと思いますが、そもそも苦味は、毒のあるものを示す味として人間の体が拒否感知しやすいものであることを考えると、そこに何ら不思議はありません。


一方で、その苦味を利用して、驚くべき味わいの複合体を作り出してくれる料理人がプロアマ問わず世の中には沢山存在しています。


食材の持っている特性、味や風味を詳細に理解し、技巧的な手法で味を最大化できるような料理人にとっては、苦味という扱いづらい刺激も、多様な味を表現する上でのポジティブな味の要素の一つだったりするのだろうな……と、勝手に想像を膨らませています。



僕は味のデザイン力がないので、味のデザインで人を喜ばせたり感動させたりできる人たちのことをとても尊敬しています。


美味しいという感情は、人間にとってとても豊かなものだと考えますので、そのように思っています。

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