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- 2022年4月25日
- 5 分
消費者余剰と生産者余剰と廃棄問題のつながり。
前回の記事では、野菜の収穫量と出荷量の差が毎年約200万トンあるという推移データを紹介させてもらいました。 それらの廃棄物は、食品ロスには含まれないということではありましたが、せっかく資源を投入して(肥料やエネルギーなど)農産品を作っているのだから、「農産品を人類がどれだけ無駄なく胃袋回収できるか??」を考えることはとても重要であり、そのロス量を極力減らせたら良いなと思ってはいるものの、「では、生産者、消費者が、それぞれどのように振る舞えば良いのか??」を考えれば考えるほど、その問題の複雑さに何とも言えない難しさを感じるばかりです。 今日はその問題の難しさについてのお話をしたいと思います。 まず、前提条件として、規格外や価格調整のために廃棄せざるを得ない農産物に対し、生産者、消費者問わず、「そんなことは無駄だからどうにかできないものか?」というようなことを、かなり多くの人が思っているように僕には感じられています。 しかし、全体の安定化を目指す上での最終的かつ最適な手段が廃棄になっている という現状への理解を示した上で、「この問題の本質的な課題と、

- 2022年4月18日
- 5 分
豊作貧乏と価格低迷
最近、担い手農家の経営課題(下図、日本公庫調査)を見て、農産品の販売価格下落に影響を感じている農家が多いことがとても印象的でしたので、今日は豊作貧乏についての記事を書こうと思います。 市場価格や資源コスト、この辺りのことは個人個人でどうにかなるものでないから本当に難しいなと思います。 農産品の価格の課題は、社会的な資源ロス問題や、非循環的な環境サイクルに直結するような気がしますので、「こういう課題の根本原因は一体どうやったら潰せるものか??」と考えてしまいます。 そもそも農産物の価格が下がるのは、需給のバランスが供給側に傾いているからになります。 つまり、作物が作れすぎてしまっているということですね。 上図は、主要8品目の食品価格動向調査(野菜)です。(農林水産省、食品価格動向調査より) 平年比でみると、全体的に下がり気味であることがうかがえますね。 一時、「コロナ禍の外食産業の低迷が価格下落の原因の一部」と言われているような時期もありましたが、ここ数年、台風被害が少なかったり、暖冬気味だったり、農産品が潤沢な出回りになるような気候条件が続いてい

- 2022年4月11日
- 5 分
ミミズが侵略的外来種??
先日、いつもお世話になっている方から、興味深い記事が送られてきましたので、今日はそのことについて書こうと思います。 「ミミズは侵略的外来種、北米で昆虫に大きな被害の恐れ」というタイトルの、ナショナルジオグラフィックの記事になります。 記事の内容は、「北米の森の調査で、土壌と落葉に生育するミミズの数が多い区画ほど、地上の無脊椎動物の多様性と数が現象していることが確認された」ということについて語られているものになりますが、ご興味ある方は是非本記事(上記リンク)をご覧になっていただいてから、下記の僕の感想にも触れていただけると嬉しいです。 ご興味のない方にとってみたらこれはとても退屈なお話かと思いますので、その場合は、リンクにも飛ばず、そのままこの記事自体を閉じていただくことをオススメいたします。 長くなりそうな気もしますしね。 ■ミミズは土を育む生き物。 ここからは、上記リンクの記事をご覧いただいていることを前提で文章を書いていきますので、どうぞご了承くださいませ。 まず、僕の農業にとって、ミミズはとても大切な生き物という位置付けになる ということか


- 2022年4月4日
- 7 分
青枯病の生活史と対策あれこれ
今日は青枯病のことを書きます。 今回のテーマを選んだきっかけは、近年、青枯病菌の勢力増大の気配を感じる所がポツポツとあり、夏野菜の管理が本格化する前に青枯れ病対策の復習、整理をしておこうと思ったからです。 ご存知でない方もいらっしゃるかもしれませんので、青枯病のことを簡単に説明すると、トマトやナスやピーマンのナス科類野菜をはじめ、その他にも多くの植物を侵す、ラルストニア・ソラナケアラムという細菌がもたらす病気になりますが、元気だったお野菜が急激に枯れてしまったりすることから、野菜栽培をする上で、できれば避けて通りたい病気の一つです。 そんな青枯病の病原菌の生活史を見てみると ■青枯病菌は土壌中で腐生的に存在し,植物が栽培されると根の傷や自然開口部から感染,根の皮層や導管を通じて茎へ移行し,導管内で増殖,水分通導機能を低下させ萎凋症状を引き起こす。
■地上部の萎れ症状がみられるころには,根部から病原菌が土壌中に排出されて圃場の病原菌密度を高め,被害植物の残渣とともに次作の伝染源となる。
■冬季の低温や乾燥などで作土層(地表~20cm前後の深さ)
- 2022年4月2日
- 1 分
4月出荷予定のお野菜
ふき、菜花、キャベツ、からし菜、ルッコラ、エシャレット、小松菜、じゃがいも、 ネギ、水菜、人参、大根、サラダケール、リーフレタス、かぶ、スナップエンドウ、 絹さや、青梗菜、ラディッキオ、プンタレッラ の中から7~10品程度 ※月頭時点での1ヶ月の収穫予定品目になりますので、途中でストックがなくなってしまうものや、後から新しい品目が加わったりすることもあるとは思いますが、「今月はこんなものが採れそうなのか(送られてきそうなのか)〜」のような感じで、送られてくるお野菜セットのイメージを膨らませていただければと思います。 ご注文時の参考にしていただければ幸いです。