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- 2022年10月30日
- 5 分
現実的な生産方式としてワークしていない不耕起栽培ではあるけれど、一方で明るい材料も多い。
近年、土壌撹乱を最小限に抑えることに努める「不耕起栽培」や「保全耕耘」のような農業技術が、地球温暖化防止力を高めるということで世界的にも注目されていたりしますが、これが、日本でイメージされているような「環境に優しい農業」(「無農薬」「自然農」)のような考えを前提としたようなものと同じかといえばそういう訳でもありません。 全米では全農地の約4割近くが不耕起栽培で管理されていると言われていますが、それは、トラクターの燃料費や作業コストの軽減、土壌の劣化防止など、農業をする上でも現実的かつ効率的な手段として存在していて、生産活動としてもメジャーな手法として機能しています。 また、アメリカには同じ不耕起でも、化学肥料や農薬を使わない不耕起有機農業と、化学肥料、遺伝子組み換え、除草剤がセットの不耕起慣行農業の2種類があると言われていますが、「土を育てるー自然をよみがえらせる土壌革命」の著者ゲイブ・ブラウンは、アメリカで不耕起有機農業が行われている比率は高くないと言っていました。 ですので、現状アメリカでは、産業としての不耕起栽培を現実的なものとするためには


- 2022年10月23日
- 1 分
虫に感じる質量的な敗北感
お馴染みの小さなガの幼虫たちが今年も物凄い勢力で野菜を食べまくっています。 チョウ目は日本だけでも約4000~5000種類いるというデータがありますが、野菜栽培で本気で気になるのは数えられるくらいの数種類です。 しかし、有機農業をする上では、この数種類が恐ろしく手強いのです。 写真のヨトウガ中齢幼虫の個体を1gとして考えると(そんなにないか??)、僕の数万分の1くらいの体重しかない小さな小さな存在にすぎませんが、被覆なしの畑では、彼らは平気で数十万匹以上いそうな気がするので、時に質量的にも敗北感を覚えたりします。 畑仕事をしていると、「人は大きくて強い存在である」ということがほぼ勘違いだということに気づかされる機会がとても多くあります。 ありがたいことです。


- 2022年10月19日
- 1 分
野菜と人間に似たような成熟プロセスを感じる。
若い人参は、味わい的に爽やかな青少年のようなすっきり感がありますが、もうしっかりと人参らしい旨味を放っています。 ただ、旨味のガツンがまだまだ足りません。 ある程度厳しい環境にもまれながら成熟期を迎えたものから滲み出てくるパンチのきいた旨味を知っているからか、ついつい相対的にみてしまいます。 心身共に成熟し、働き盛りとなる壮年期あたりの人が活力に溢れている傾向にあるように、人間も野菜も似たような所があるものです。 成長プロセスそれぞれの段階で輝く特性や魅力を感じられると、時間やタイミングという概念の奥ゆかしさにも思いが巡ります。 それはそうと、最近、本当に日照が少ないです。 同時期前10日比で例年の3割くらい。5日比だと約1割。 葉もの野菜が全然伸びないので、ちょっと苦戦しています。 この時期にこんなに野菜がないのは久しぶりです。 でも、こんなことではめげないですよ~。


- 2022年10月16日
- 1 分
素晴らしき根粒菌の実力
落花生の根粒菌です。 菌の数が年々増えているような気がするのはおそらく気のせいではないように思います。 栽培を助けてくれる菌ですので、喜ばしい限りです。 根粒菌は、硝酸態窒素(すぐに効く無機養分)が多いと活動をお休みしてしまう傾向にあると言われています。 しかし、地力窒素(有機物が分解される過程で出てくる、じわじわと効く養分)が多い分には「お休みスイッチ」の発動条件を満たさないようで、その活動を止めてしまうことはないらしいです。 うちの畑の土壌有機物ストックは、とっている農法上、平均値よりもかなり多い方だと思いますので、前述の説に対し、強い納得感を覚えております。 来年は、積極的に地力窒素の測定をしようと考えていますが、それとは別に、根粒菌を地力窒素のバロメーター的な存在として考え、畑を観察してみるのも面白そうだと思っています。 ちなみに根粒菌、最大で10a45キロの窒素固定が報告されているらしいです。 仰天の実力です。


- 2022年10月16日
- 3 分
価格高騰対策の農業助成金、「そんなんいるか??」を考える。
先日、いつもお世話になっている農政課の方から電話がかかってきて、世の中の価格高騰に対する農家負担軽減策としての助成金のお知らせをいただきました。 上限額を5万円とした、肥料や農薬、飼料費、エネルギーなどに対して行われる助成金のようです。 助かる人もいるでしょうし、嬉しいと思う人もいることでしょう。 僕自身も、わざわざご連絡をくださったご担当の方のご好意に対し感謝の気持ちでいっぱいです。 ただ、その一方で、このレベルの助成をする意味についても考えさせられています。 率直に正直な気持ちを述べるのであれば、「こんな軽微な助成で本気で助かる人なんて極小だろうと思うし、対象農家も約900経営体(のち主業農家は約1割)くらいでしょうから、行政コストをわざわさ払ってまでやる必要が本当にあるのかな?」と思っています。 また、このような助成にお金や時間を使うくらいであれば、自国の資源を活用した農業技術や研究、その促進活動などに使った方が、長い目で見て利点が多いような気がしますが、それは気のせいでしょうか。 僕は、今回の価格高騰圧により、化石燃料、エネルギーをなるべ


- 2022年10月8日
- 3 分
有機農業で生分解性マルチが公に使えないことに対する違和感。
ご存知の方も多いと思いますが、有機農業では生分解性プラスチック素材のビニールマルチは使えないことになっています。(JAS法上) 理由は、製造工程において「化学物質、化学的処理をされたものであるから」です。 「化学物質、化学的処理とは?」という部分に関しての理解を深めたくて、先日、農水省に問い合わせてみましたが、残念ながら具体的な回答を得ることはできませんでした。 頭の中の気持ち悪さは未だに解消されていませんが、「化学物質、化学的処理をされたものを土壌へすき込み取り除かない」という点が、制度上、非常に重要な部分なのであろうということだけはよく理解できました。 土壌パラメータが変化するのには何年もかかることが多いと思いますので、「長期的な効果、影響がどうなるのか??」と、慎重になる気持ちも分からないでもありませんが、「よりクリーンで、環境負荷の少ない社会を目指す上でのバイオ技術としての生分解性の推進」というものが国策として明示されていたり、「生分解性プラは、よりエコロジカルである」という社会的認知もされてきている中で、公の有機農業認証的には使用するこ
- 2022年10月1日
- 1 分
10月出荷予定のお野菜
じゃがいも、なす、甘唐辛子、ゴーヤ、ピーマン、きゅうり、ミニトマト、空芯菜、 ツルムラサキ、四角豆、オクラ、落花生、生姜、葉人参、小松菜、水菜、からし菜、 ルッコラ、カボチャ の中から7~10品程度 ※月頭時点での1ヶ月の収穫予定品目になりますので、途中でストックがなくなってしまうものや、後から新しい品目が加わったりすることもあるとは思いますが、「今月はこんなものが採れそうなのか(送られてきそうなのか)〜」のような感じで、送られてくるお野菜セットのイメージを膨らませていただければと思います。 ご注文時の参考にしていただければ幸いです。